おやこのじかん

知って備える!夏の感染症

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暑さで体力を消耗する夏は、抵抗力が落ちるため、ウイルスや細菌に感染しやすい季節。
プール等で人と触れ合う機会も増えることから、夏の「感染症」にかかるリスクが高まります。
かかってから慌てずにすむよう、感染症の種類別に「症状」「感染経路」「予防・対策」をまとめました。

 


 

飛沫感染とは

せきやくしゃみをしたときに飛び散ったウイルスや細菌が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染すること。通常は2メートル以内の距離で感染します。

 

接触感染とは

ウイルスや細菌が付着した物などに接触して感染すること。感染者との接触の他、タオルの共用なども感染拡大の原因となります。

 

経口感染とは

ウイルスや細菌が付着した手や食品を介して感染すること。こまめな手洗い等で予防することができます。

 

 

“夏かぜ”トリオ


いわゆる「夏かぜ」と言われるのがこの3種の感染症。 一度かかっても別の型のウイルスにかかることもあるので注意が必要です。

ヘルパンギーナ
症  状

突然の高熱(38〜40度)ではじまり口腔内(のどの奥)に小水疱(1~5mm程度)ができ、その疼痛により食欲不振、咽頭痛、嘔吐などを起こす場合もあります。一般的には数日で治癒しますが、まれに無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することもあります。

感染経路

せき・くしゃみなどによる飛沫感染、ヒトからヒトの接触感染及び経口感染です。

予防・対策

日頃からの十分な手洗い等の衛生対策を心掛け、患者との接触を避けましょう。

手足口病
症  状

口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱はあまり高くならないことがほとんどですが、まれに髄膜炎などの症状が出ることもあります。また、ウイルスに感染しても症状が出ない場合もあります。

感染経路

せき・くしゃみなどによる飛沫感染、接触感染、経口感染です。症状が治まった後も比較的長い期間便の中にウイルスが排出されるため注意が必要です。

予防・対策

日頃からの十分な手洗い等の基本的な予防対策の他、感染拡大を防ぐためにおむつなどの排泄物は適切に処理しましょう。また、タオルの共用は避けましょう。

咽頭結膜熱
症  状

発熱(38~39度)、のどの痛み、眼の痛み、涙や“目やに”、普通の光が眩しいなどの症状が3~5日間持続します。頭痛、食欲不振、全身的なだるさなどの症状も出ます。

感染経路

せき・くしゃみなどによる飛沫感染、プールの水を介しての感染、ヒトからヒトや共通のタオルを介しての接触感染です。

予防・対策

日頃からの十分な手洗い等の衛生対策を心掛け、患者との接触を避けましょう。プールを利用する時は、水泳前後のシャワーを励行しましょう。

 

注意するその他の感染症

RSウイルス感染症

【 症 状 】発熱、鼻水などの軽い風邪様の症状が、数日続きます。多くは軽症ですが、せきが悪化したり、呼吸困難の症状が出て、重い肺炎になることもあります。2歳までに少なくとも1度は感染するとされています。初めて感染し発症した場合は重症化しやすいと言われています。

【 感染経路 】せき・くしゃみなどによる飛沫感染、ヒトからヒトや共有するものやおもちゃなどを介しての接触感染です。

【 予防・対策 】こどもが触れるおもちゃや手すりなどを消毒する他、手洗い等の衛生対策を心掛けましょう。

 

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)

【 症 状 】突然の発熱、全身倦怠感、咽頭痛、嘔吐などがみられます。まれに舌が腫れ苺のような赤い粒々ができる苺舌を伴います。全身に発疹が広がる(猩紅熱)場合や、肺炎、髄膜炎、敗血症、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすこともあります。

【 感染経路 】せき・くしゃみなどによる飛沫感染、ヒトからヒトの接触感染です。

【 予防・対策 】日頃からの十分な手洗い・うがい等の衛生対策を心掛け、患者との接触を避けましょう。

 

流行性角結膜炎(はやり目)

【 症 状 】目の充血、まぶたの腫れや目やになどがみられます。また、耳の前のリンパ節の腫れや圧痛を伴うこともあります。

【 感染経路 】共有するものやタオルなどを介しての接触感染です。消毒が適切にされていないプールの水などでも感染します。

【 予防・対策 】日頃からの十分な手洗い等の衛生対策を心掛け、患者との接触を避けましょう。また、タオルの共用は避けましょう。

 

伝染性膿痂疹(とびひ)

【 症 状 】湿疹や虫刺されなどの皮膚表面の損傷に細菌が繁殖し、体中にどんどんと広がる感染症です。多くがかゆみを伴います。

【 感染経路 】患部を掻いた手が感染源となります。ヒトからヒトや共用のタオルを介しての接触感染です。

【 予防・対策 】皮膚を清潔に保ち、タオルの共用は避けましょう。蚊などの防虫対策も万全に。

 

感染症を予防するために!
ウイルスや細菌に負けない習慣を身に付けましょう!


規則正しい生活で十分な抵抗力をつけることが大切です。手洗いなどの予防対策は感染症に有効です。 病原体を「侵入させない」「増やさない」対策を身に付けておきましょう。

 

手 洗 い

【手洗いの前に】
・爪は短く切っておきましょう
・時計や指輪は外しておきましょう。

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流水でよく手を濡らした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。

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手の甲を伸ばすようにこすります。

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指先・爪の間を念入りにこすります。

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指の間を洗います。

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親指と手のひらをねじり洗いします。

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手首も忘れずに洗います。

石けんで洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルやペーパータオルで よく拭き取って乾かします。タオルの共用は避けましょう。

 

体調・環境を整える

●食べる・寝る・体を冷やさない

健康状態がよければ発症を抑えたり、症状を軽くすることができます。栄養バランスのよい食事を心掛け、睡眠はしっかりと。また、体が冷えないよう保温も人によっては必要です。

●定期的な換気を

夏場はエアコンの使用により部屋が閉め切った状態になりがちです。暑さ対策のためエアコンを適切に使用しながら、定期的に窓を開けるなど換気を十分に行いましょう。

 

咳エチケット

咳やくしゃみが出る時はマスク、ティッシュ・ハンカチ、袖などで鼻と口をおおいましょう。

 


監修:佐賀県健康福祉政策課 

2025/06/13 子育て
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